ZEHと高気密・高断熱住宅の違い
作成:2024年11月
ZEH(ゼッチ)と高気密・高断熱住宅はどちらも「エコで快適な暮らし」を目指す住宅のことですが、目標や方法が少し異なります。わかりやすく言うと、ZEHは「家で使うエネルギーをできるだけ自分で作る家」、高気密・高断熱住宅は「少ないエネルギーで暖かさや涼しさを保てる家」です。それぞれの特徴をもう少し詳しく見てみましょう。
ZEH(ゼッチ)
ZEHは、家で使うエネルギーの量と、自分で作るエネルギーの量をゼロにすることを目指す住宅です。例えば、太陽光発電を設置して電気を作り、それを家庭で使うことで、電力会社から買う電気を減らすことができます。ZEHのポイントは、以下のようなものです。
- エネルギーを作る仕組み(創エネ):太陽光発電や燃料電池(家庭用の小さな発電装置)を使って、自分の家で電気を作ることが重要です。
- エネルギーを節約する工夫(省エネ):断熱や気密性を高めたり、エコな空調や給湯器を使ったりすることで、エネルギーの消費量をできるだけ減らします。
こうして、家で使うエネルギーと家で作るエネルギーを合わせて、年間の「エネルギー収支がゼロ」に近づくことを目指します。つまり、「できるだけ電気を使わない工夫」+「自分で電気を作る」の二本立てで環境にも優しい家なんです。
高気密・高断熱住宅
高気密・高断熱住宅は、少ないエネルギーで家の中の温度を保つことに重点を置いた住宅です。冬は暖かく、夏は涼しく、エアコンや暖房の使いすぎを防ぐために、以下のような工夫をしています。
- 断熱材を使う:壁や屋根、床に断熱材を使うことで、家の中の熱が逃げにくくなり、外の暑さや寒さも入りにくくします。
- 隙間を少なくする:ドアや窓、壁の隙間を少なくすることで、外の空気が入りにくくし、エアコンの効きも良くなります。
高気密・高断熱住宅は、家自体を「魔法瓶」のようにするイメージです。エネルギー消費は少なくなるものの、ZEHのように電気を作る仕組みがないため、「エネルギーを自分で作る」ことまでは含んでいません。
わかりやすい違い
項目 | ZEH | 高気密・高断熱住宅 |
---|---|---|
目的 | エネルギー収支をゼロに近づける | 快適で省エネな環境を作る |
エネルギーを作る仕組み | ある(太陽光発電など) | ない |
エネルギーを節約する仕組み | 断熱・高気密+エコ機器の使用 | 断熱・高気密 |
まとめ
ZEHは、自分で電気を作りながらエネルギーを無駄なく使うことがポイントです。一方、高気密・高断熱住宅は、家全体の作りでエネルギーを節約して快適に過ごすことを目指しています。どちらも環境やお財布に優しい住宅ですが、ZEHは「作る」+「節約」、高気密・高断熱住宅は「節約」に集中していると考えるとわかりやすいと思います。
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