規格住宅の6つのメリットと2つのデメリット

作成：2019年12月

規格住宅（企画住宅）とは住宅メーカーや工務店であらかじめ用意されている住宅商品です。
数種類～数百種類の間取りを選択し、内装や外装も数種類から選択して住宅を建てるのが一般的です。
これにより、時間と手間が短縮できるので、コストダウンにつながります。
（割合は少ないですが、間取りがオーダーメイドできるメーカーもあります。）
注文住宅と建売住宅の良い部分を組み合わせた住宅の建て方です。

注文住宅との違い

注文住宅と比べて劣っているところは、間取り・仕様・設備の自由度です。メーカーの得意不得意はあるものの自分が希望している住宅を建ててくれるところを探せば必ずどこかにあります。特別な仕様やデザインを希望するなら、建設費用は高くなってしまいますが、憧れの個性的なマイホームを手に入れることができます。
逆に注文住宅よりも、価格や施工期間などは規格住宅の方が優位性はあるでしょう。

建売住宅との違い

建売住宅の最大のメリットは、完成されている家を見学して「この家を買う」ことができることです。住まいを探している地域に自分好みの家があれば、価格も安い傾向にあるのでお得に家を持てます。また、何らかの事情ですぐに一戸建てが欲しい場合でもすぐに対応できるのが建売住宅です。
ただし、価格が安い分、仕様や設備のグレードが落ちていることが多いので、注意深く見ないと購入してから後悔することにもなります。
建売住宅の見学には、実際に家を建てた方と一緒に見ることをオススメします。

メリット

１．建設費用が安い

原則として、間取りや内装・外装・設備などを「選択」で住宅を建てるので、打ち合わせの回数も少なく材料の大量発注によりコストダウンができます。

２．完成までの期間が短い

打ち合わせの回数が少なく、間取りや工法も効率化されていることが多いので、最初の訪問から受け渡しまで短期間になります。

３．完成がイメージしやすい

自分たちが建てたい住宅を過去に建てた事があれば、事例を見ることができることも多いです。また、プランの種類が少なければ外観のCGも用意されていることも多いので、外観から選択して決めることもできます。

４．打ち合わせが疲れない

注文住宅では、各部屋の壁紙からドアなど大きなパーツからスイッチなどの内装、外壁のテイスト（和風・洋風・欧風・モダン・レトロ）・素材・色、各設備のグレードやそれぞれの特徴などなど、無数にある選択肢から、無限と思える組み合わせのパターンを考えるので、打ち合わせは、とても疲れます。もちろん、打ち合わせの回数も多くなります。
規格住宅では間取りこそたくさん用意しているメーカーはあるものの、内装・外観は数パターンから選択して、設備も標準からアップグレードをするかどうかを決めるだけです。

５．悩むことが少ない

一度決めた事でも、選択肢が無数にあると「やっぱりあっちほ方が良い」と思って考え直したり、完成後も「これの方が良かった」と後悔したりします。そうなると、家づくりは辛い作業になります。
逆にいえば、悩むことが少ないので大事なことに絞って悩めます。

６．欠陥住宅になりにくい

決まった工法・仕様なので実際に作る職人さんも慣れた技術で対応できます。特殊な工法や仕様にしてしまうと施工不良のリスクも高くなります。

デメリット

１．土地によっては建設できない

規格住宅は「普通の土地」に建てることが前提なので、狭小地や変形、・高低差があるなど特別な事情がある土地には建てられません。

２．特別なデザインや仕様に対応できない

家に憧れがあり、絶対に譲れないポイントがあるなら規格住宅では叶えられないと思います。例えば、タイル仕様のキッチン、塗り壁の内装や外装、海外仕様の設備、雑誌に載るようなモダンな外観などは、多くの場合対応できないでしょう。良くも悪くも「普通の家」になってしまうのが規格住宅です。（最近は、ちょっとかっこいい家もチラホラあります。）
なお、個性的で素敵な住宅が欲しい場合には、各地の建築士会（東京建築士会など）や建築家協会などに所属している建築家に頼むのもいいでしょう。