住宅メーカーについての所感
パナホーム(現:パナソニックホームズ)住宅建築日記
僕の経験や知識の中からハウスメーカーの特徴を分析したいと思います。
まず、住宅を建てるときに考える業者の種類は、
- 大手住宅メーカー
- 地元の工務店
- 建築設計事務所(建築家)
の3種類だと思います。
それぞれに特徴があり、「絶対にここがいい」というものはありません。欲しい住宅、住宅で重視したいポイント、予算などの条件によって「最適」は違います。それぞれの特徴を理解した上で、建設業者を選ぶのが大前提です。
いろいろな条件を検討した結果、「うちの場合」は、大手メーカーから選ぶことになりました。その条件は以下の3つ。それぞれ解説します。
- 欠陥住宅の可能性が低い
オーダーメイドで作る以上、欠陥住宅の可能性はゼロではないと思います。どんな優秀な業者であっても、欠陥の程度の差はあれど、過去に欠陥住宅は作っていると思います。うちの場合は、その可能性を限りなくゼロにしたい。そのためには、どこに頼めばいいかを考えました。
大手メーカーは、工場で部品を加工・製造しているので品質が均一になる可能性が高く、建設した数も段違いに多いのでそれだけケーススタディが多いので欠陥になる可能性が低いと感じました。
- 住宅性能が良い
両親や祖母と住む以上、身体にかかる負担は少ない方がいいと思いました。特にヒートショックは避けたいので高気密工断熱が必須です。「高気密工断熱」といってもその差は歴然としています。調べているうちに言葉だけが先行して本質を知らない業者が多いことも分かりました。
その点、メーカーは研究の予算が多いのでいろいろな実験もできます。だから、住宅の性能が高いといえます。お客さんの家を実験材料にするわけにはいきません(小さな工務店や設計事務所は、自宅や親戚の家を実験にして新しいことを検証するのが通例みたいです)。日々、新しい技術や手法を開発して、実装できるのは、やはりメーカーならではの仕組みが生かされることだと思います。
- サポートがばっちり
アフターメンテナンスだけじゃなく、 建築までの間に いろいろな疑問が生まれると思っています。設計士が営業も兼ねている所では、調べられる範囲や深さが限定されるかもしれません。また、規模が大きくなると、日ごろから共有している情報が広く深くなると予想できます。独立して仕事をしている経験、建築を勉強していた経験を踏まえても、お客さんの希望を引き出すの能力、間取りのセンス、インテリアコーディネイトのセンスは別次元の能力です。一人の人にすべてが備わっている例は稀です。
逆に以下の条件の場合は、工務店や設計事務所のような柔軟に対応してくれるところがいいかもしれません。
- 雑誌などに載って有名になりたい
- 斬新(奇抜)でかっこいいデザイン
- 予算が極端に少ない
- 敷地が変形している(斜面なども)
- コンクリート構造で作りたい
- その他、特別なこだわりがある
また、ハウスメーカーはデメリットもいろいろとあると思います。そのデメリットもきちんと理解して、それを踏まえれば特に問題があるとは思えません。
- 広告費が多いから割高
そうかもしれませんが、そうじゃないかもしれません。調べた範囲の例は、年間1万棟建てているメーカーは、1棟当たり100万円の広告費がかかっているようです。ただし、広告を出すことで材料や設備などの費用が抑えられる事実もあります。ハウスメーカーは、設備メーカーからのキッチンは半額以下で卸してもらえるそうです。設備メーカーとしても確実に売れることが分かっているのでお互いにメリットはあります。材料にも同じことが言えます。広告費を出している代わりに原価はかなり安いといえるでしょう。だから、同じ仕様では建設費も工務店とほぼ同じかむしろ安いぐらいのはずです。
- 間取りに融通が利かない
たしかに、過去に例を見ないぐらいの間取りが欲しければ、ハウスメーカーでは対応できないでしょう。ただ、本当にそんな間取りが欲しいのですか?新しい生活スタイルで、コンセプトを重視した実験住宅に何十年も住みたいとは、とても思えません。そんなことを考えると、ほとんどのメーカーでは「普通の人の考えるこだわり」には対応できると思います。逆に、そんな特殊な生活スタイルや間取りに対応できる工務店や設計事務所も世の中には本当に少ないと思います。
どちらにしても、大切なことは、先入観にとらわれずそれぞれをきちんと理解して「自分が欲しい住宅を実現してくれそうなところを探す」という視点が重要です。