特集 ちゃぶ台の再考

日本オリジナルの家具といえば、「ちゃぶ台」が思い浮かびます。この古くて新しい家具について再考したいと思います。

  ちゃぶ台は、明治の後半から登場したようです。当時は、狭い家で使い勝手のいい家具としてかなりの需要があったようです。機能は単なる折りたたみのダイニングテーブルなんですが、視点を変えると未知の可能性を秘めた家具なのです。

  茶の間にちゃぶ台を置くとそこが食堂になり、片づけて布団を引くと寝室になる。ここに大きな特徴があります。一般的にその空間の目的は家具によって左右されます。ベッドがあれば寝室、ダイニングテーブルがあれば食堂、ソファがあればリビングといったように。それぞれは固定され、その空間の機能が変わることはほとんどありません。つまり、空間の機能は家具に依存している状態です。それに引き替えちゃぶ台は、空間の機能を変える性質があります。

  フレキシブルに動く家具は星の数ほどありますが、空間にまで影響を与える家具はごくわずかです。しいていえばソファベッドぐらいでしょうか。しかし、これは強度や使い勝手から来客用のためなどの非日常的な使い方が多いはずです。

  多様な生活スタイルがあるにも関わらず、家具のデザインは意匠にばかり重点を置き、機能の分野をおろそかにしている状態です。現代のちゃぶ台が数多く生み出されることを願うばかりです。

 

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